…やべえ。思い出したらまたしたくなる。
「んー…」
そんな俺の思考でも読みとったのか。は小さな声をあげて目をこする。またその仕草が可愛くて仕方がない。
「はよ」
ドキドキと心臓が鳴る。二人で迎える初めての朝。照れくさいけど嬉しい。目を開けたは肩にかかっていた布団を口元まで持っていく。そして頬を赤らめておはようと笑った。ああ、仕草がいちいち可愛い。なんでこんなに可愛いんだ。
「体、大丈夫か?」
「ん…。ちょっとなんか、うん。変な感じだけど…」
照れたようにそう言うを見て抱きしめる。はかか、一馬!と慌てたように言った。俺は抱きしめる力をさらに強めた。セックスする前はここまで愛おしい気持ちに駆られた事は正直なかった。いや、あったけど本当にたまに。でもなぜだ。昨日のを思い出すと全てが愛おしくてたまらなくなる。痛みに堪え必死に俺にしがみつき、好きだと苦しげに囁いた。そんな彼女の純粋な気持ちが痛いほどに伝わったからだろうか。
「、好きだ」
「え、うん。ありがとう」
私も好きだけどさ。はそう続けた。可愛らしく笑うを見て、俺は昨日何度も求めた唇にキスをする。
「なあ、もう一回いいか?」
「ええ!無理無理!まだじんじんしてるから!」
俺にしては勇気を振り絞って言った言葉なのに、は即答だった。
「その代わりずっとこうしてよ?」
はそう言うと俺の背中に腕を回す。そして俺の胸に顔を埋めた。いや、ちょっと。それはなんというか幸せだけど蛇の生殺し状態じゃねえか?服も着てないから、の胸が当たる。ああ、もうこれは我慢出来ねえ。
「なあ、それ逆効果だろ…」
小さくつぶやいた俺の言葉に、はえ?と聞き返す。俺は返事もせずにもう一度にキスをする。さっきのようなキスじゃなく、昨日のような激しいキス。
は小さく声を漏らす。俺はそれだけでスイッチが完全に入る。
「今度は優しくするから、な」
そうは言ったけどきっとまた余裕がないんだと思う。そして終わった頃にに怒られるんだろう。俺は多分ごめんごめんと何度も謝って、今度好きなもん奢るからとか、そんな簡単な事で許してもらおうとするのだろう。